後悔日誌

深夜テンションで書くブログ。航海日誌ではない。

【お題箱への回答】「出身大学による"キャリアアップでの優劣"という風潮はあるのでしょうか?」

お題箱に質問をいただいた。

質問への回答はTwitterで行っていたが、一部の回答(記事にしておきたいもの)はブログ記事とさせていただきたいと思う。なお、ブログ記事にしないことを希望される場合はその旨を明記されたい。

こんにちは、受験生です。

やはり就職後のキャリアアップ等を考えると上智卒より早慶卒、早慶卒より東大京大卒という風潮はあるのでしょうか?

 待ちに待っていた質問をありがとうございます。
風潮としては「間違いなくある」と断言します。
長い回答になりますので、時間が勿体無いと思う場合はGoogle「出身大学別 年収ランキング」と検索すれば、だいたいのことが分かるかと思います。ただし、それだけだと誤解を招くこと請け合いなので、以下、回答します。
質問者は受験生とのことですので、トイレで用を足すついでにでもお読みいただければと思います。

個人的には"MARCH<上智<早稲田≦慶應≦一橋・東工大<東大・京大"という認識です。ただし、地方では早慶一工よりも当地の旧帝大(例:東海地方における名古屋大、東北地方における東北大)が優遇されるケースもあると思います。また、上智大学国際基督教大学のような「グローバル」に力を入れている大学は評価が別れる(これに関しては「業界の雰囲気」に左右されると思います)ことや、中央大学法学部のように特定学部がずば抜けている大学も存在します。したがって、あくまで私の個人的な「なんとなく」の認識である点は十分にご了承ください。
とはいえ、やはり東大・京大の存在感は絶対的ですし、慶應や一橋が多くの企業で大きな顔をしているのも事実です。

ただし、業界や企業によって「学歴フィルターや学閥がない」ところや「学歴フィルターや学閥はあるものの絶対的なヒエラルキーではない」ところもあるので、もちろん一概には言えません。
なお、学歴フィルターや学閥が強い業界というと、金融業界や商社が挙げられるかと思います。
実際に三菱東京UFJ銀行(BTMU)では前頭取・小山田隆氏まで、「歴代頭取はいずれも東大or京大出身」という状態が続いていました。三毛兼承・現頭取は慶應出身ですが、小山田氏の「体調不良による頭取退任に伴う緊急人事」であったことを考えると、BTMUでは依然として「東大・京大が絶対的地位」である可能性は高いでしょう。ちなみにBTMUでは東大・京大に次いで、一橋・慶應が出世しているというのが、個人的な印象です。
あるいは三井物産の歴代社長の大学はいずれも国立大学(東大・京大・一橋・東外大・横国大・長崎大)で、慶應や早稲田すら同社社長を輩出していません。三菱商事も歴代社長の出身大学は首都圏か海外に所在(東大・一橋・慶應・早稲田・上智・ハーバード)しているという点も留意すると良いかもしれません。

さて、先ほど「学歴フィルターと学閥」と述べました。出身大学がキャリアアップに影響する理由は大別してこの2つだと考えています。
【学歴フィルター】:採用活動(新卒・中途の両方)において、選考過程のコストパフォーマンスを最大化するために用いられます。採用イベント(セミナーやインターンシップ)への参加可否の判断や書類選考でのスクリーニング(面接に進む候補者を絞り込む)といったフローにおいて活用されます。企業の採用活動もコストが掛かる(面接官の時間や給料など)ため、そのコストの価値を最大化するというのは合理的な経営判断ですね。
【学閥】:例えば前述のBTMUにおいては、東大・京大出身の優秀者たちは「将来の頭取候補」として、MARCH出身者とは別に「出世街道」を歩むことが多いとされています。具体的には企画部門や人事部門を多く経験させ、【経歴に傷がつかないように】かつ【経営に必要な俯瞰的視点や能力を涵養する】形で「清く正しく」キャリアを積んでいくそうです。また、慶應出身者─正しくは「塾員」と言います─による「三田会」に代表されるように、部門や役職を飛び越えた人間関係が「○○大学出身」という共通点により形成されることもあり、それが出世や昇進に繋がることもあると考えられます。
ただし、東大・京大を卒業すれば志望企業に入れるのか、あるいは幸せな人生を歩めるのか、というのは別問題であることも留意する必要があります。
採用活動における「学歴フィルター」は「スクリーニング」、つまり「ノイズ除去」のための手段であって、内定を約束するものではありません。具体的には書類選考後の面接において、企業との相性や候補者の素質を判断するわけで、出身大学は「入口」に過ぎません。また、入社後の昇進も実績や勤務態度によるわけで、東京大学出身なら必ずしも出世できるとは限りません。もしそうなら、BTMUには何人の頭取の椅子が必要になるのでしょうか。
さらに、例えば【東京大学法学部を卒業して国家公務員総合職試験に合格、財務省に入省】という「エリート中のエリート」のキャリアを歩んだからといって、当然ながら必ずしも幸せになるとは限りません。逆に、ある意味で【オーディションに応募して、楽しみながらアイドルグループの一員として活躍している】人や【大学ではなく調理師学校に進学、世界的なシェフとして名を轟かせている】人こそ、「幸せな人生」かもしれません。もちろん、【東大法→財務省】が「やりたい仕事」であり、誇りとやりがいを持って取り組めるなら、それに越したことはありません。
キャリアアップも重要ですが、「自分がやりたい仕事」を、勉強の合間にでも考えてみると良いと思います。現代文の読解問題や英語の長文問題があると思いますが、意外と「ワクワクする」テーマがあると思います。気になったテーマや用語について、「未来への投資」だと思って、休憩がてらGoogle検索してみると、自分でも気づかなかった「興味ある分野」が見えてくるかもしれません。

最後に、「大学は就職予備校ではない」という、どこでも言われる主張を述べておきたいと思います。
確かに「先立つ物は金」であり、それを持たずして社会生活を営むことは不可能です。ですから、将来のキャリアを見据えて大学を選ぶことは正しいし、賢明な判断だと思います。
一方で、大学の本来の価値は「体系化された学問に向き合う」ことで得られるものです。体系化された学問とは言い換えれば「自分自身が生きていく上での価値判断基準となるもの」であり、もっと具体的にに言えば「教養」です。個人的には「慶應以上の大学なら、出身大学の差は結果的に微々たるもの」だと考えています。確かに某外資投資銀行の面接では、出身大学が東大でないと「なんで東大じゃないの?」という質問をされるそうですが、面接に進んでいる時点で「理由によっては採用される可能性がある」─そうでなければ面接になど呼ばない─わけで、「やりたい学問」や「学びたい教授」を見つけて、その大学(ただしキャリア形成の観点から、やはり慶應以上を強く推奨します)に進むのが結果的に良いのではないかと思っています。
ちなみに、もし私が現在の高校3年生で、「どの大学もフリーパスで入れる権利」を得ていたら、おそらく東大でも京大でもなく、一橋にしていたと思います。というのも名著『ストーリーとしての競争戦略』で知られる(※おそらく質問者はご存じないでしょうが、割と有名な本です)楠木建一橋大学大学院 国際企業戦略研究科教授に魅力を感じるからであり、この回答も実は、楠木建氏の著書(下記参照)に大きく影響を受けています。

念のため、参考にしたWebサイトと書籍を紹介しておきます。
・国内・海外全160校 出身大学別 年収ランキング | 20代の”はたらき”データベース『キャリアコンパス』- by DODA

doda.jp

・『好きなようにしてください』楠木 建

www.diamond.co.jp

www.amazon.co.jp

凄く長くなってしまったのと、慶應と一橋の宣伝のような内容になってしまいました。
ちなみに慶應は受験科目が少ないので、コストパフォーマンスは極めて高いと思います。

 

以上、お題箱への回答としたい。

キャリアの相談を含め「お題箱」では質問に全力で答えていきたいと考えているので、お気軽に質問をお寄せいただきたい。

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